なぜお盆は海に入ってはいけないのか

ただ今、お盆真っ最中ですが、僕は特に休みもなく普通に労働しています。

沖縄は旧盆文化なのですが、時期的には、毎年、旧暦の7月13日~15日までがお盆です。

今年、2019年は、旧盆と新盆が重なっているため、8月13日~15日までがお盆となっています。

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お盆の時期と言えば、よく海や川などの水辺に近づいてはいけないという話を聞きますね。

これは沖縄だけではなく、全国的に言われていることで言い伝え・伝承の類が多いのかなと思いますが、

どういったパターンで説明されているのかをちょっと調べてみました。


[ 霊・怪異パターン ]

(A-1) 霊が海に帰る時に連れて行かれるから

(A-2) 水辺には霊が集まりやすいから

(A-3) 地獄の釜が開くから

(A-4) 海坊主が出るから

(A-5) 河童が出るから


{ 気象・海況パターン ]

(B-1) 台風や落雷が多い時期だから

(B-2) 土用波や離岸流や鉄砲水が起こるから

(B-3) 大潮に当たるから

(B-4) クラゲが発生する時期だから

(B-5) 水温が低くなる時期だから

(B-6) 海藻や水草が大量発生するから

(B-7) 海難事故が多い時期だから

(B-8) 暑いから

(B-9) 盆鮫が来るから

(B-10) 寄生虫が活発な時期だから


[ その他パターン ]

(C-1) 休みで浮かれているから

(C-2) 人目が少ないから

(C-3) 帰省して土地勘がなく慣れない場所に行くから

(C-4) 供物などを流すから

(C-5) 拉致されるから

(C-6) お盆に専念してほしいから

など

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こちら、「お盆 海」というキーワードでGoogle検索し、

Webサイト・twitterやInstagram等のSNSなどの内容・発言から単に抜粋しただけのもので、

どれが正しくてどれが間違っているとかというものではありません。

霊はともかくとして、また、別にお盆に限らなくね?というものもありますが、

他はほとんどがありえそうで、単独・複合でも成立しそうな感じ。

全国的には結構多そうと思っていた、霊・怪異パターンが思いのほかバリエーションが少ないような気がします。なんか以外。


あと、霊・怪異パターンだと、地獄の釜は初めて知りました。

これは、「閻魔賽日(エンマサイジツ)」という旧暦の休日があって、その日は閻魔様がお休みで地獄の者を見張らないので、

悪霊や鬼などが人間界に来て連れて行かれるという話から来ているようです。へー。


気象・海況パターンでは、盆鮫という言葉を初めて聞きました。

遠州(静岡県西部)では盆過ぎに出ると言われている、また、長崎では鮫が回遊してきて被害に合う人がいた、

また、クラゲに刺された痛みを鮫に咬まれたと表現したのでは?などなど、

元の話は不明だし、盆鮫がなんなのか分からないけど、そういった内容も見当たった。

民話とか好きなのでこれは今度よく調べてみよう。もし、知っている方がいたら教えてほしいです。


その他パターンも結構ありそうだけど、どちらかというと言い伝えよりかは後に出来たようなイメージ。


また、台湾や中国などの大陸側でもお盆と海に関する言い習わしがあるようですね。

というか文化的には、向こうから来たものと見るのが正しいような気もします。沖縄は特に。


海・川などの水辺への注意以外には、虫・魚・植物などにご先祖様の霊が入って帰ってくるから、

その間は、殺生・伐採・収穫などを行ってはいけないという話も割とあるみたいですね。

*

まあ月並みですが、昔からの言い伝えとして、

何故かは解明されていないけど、この時期は水難が多いため、戒めとして霊などを絡めて伝承してきた、

というのが一般的な見解でしょうね。


僕も小さい頃から、お盆に海に入ったら霊に足を引っ張られるよとずっと言われて来ましたし、

今でも鮮明に記憶に残っているので、言い伝えを残すためのインパクトとしては霊を絡めるのは大正解だと思います。

昔の人の知恵ってすごいですね。

*

で、結局、気になるところは、実際にお盆の時期には本当に海難事故は多くなるのかというところです。

こちらも調べてみましたが、どうしても8月の日毎の海難発生件数データというものがなく、かろうじてみつかったのが、

20152016年の新聞記事のみで、さらにデータ元は見当たりませんでした(ただ探し出せなかっただけかもしれませんが…)。

一応、警察庁の統計データとして、2018年全体2018年夏季(7・8月)というのは公開されていました。

日毎データがないので予想と言えるのかも不明ですが、もし、2018年の警察庁の統計データだけを元に無理やり算出するとしたら、

2018年全体に占める夏季の海難発生件数の割合は、7・8月の2ヶ月で約60%近くなので、単純にひと月で約30%、

新盆・旧盆の前後がひと月の半分から三分の一程度としたら、約10~15%。


さらに、もし、2018年の警察庁の統計データを参考に、年間の海難発生件数が約1,000~1,500件として、

2015・2016年の新聞記事を参考に、お盆時期の海難発生件数が約100~150件としたら、

年全体に占める割合が約6.7~15%程度。


もちろん、日毎のデータがない上、新盆・旧盆の前後の時期が何日かを明確にしないと

全く違う割合になる可能性が高く無意味なのかもしれないのですが、感覚的にみた場合にはかなり高い割合ではないでしょうか。


ただ、なんか全然すっきりしない感じですし、海難に対する自己防衛や注意喚起も含めて、

問い合わせをするなり検索するなり、もう少し詳しく調べてみます。




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